先負とは
先負とは、六曜(ろくよう、りくよう)の一つで、「先んずれば即ち負ける」=「急ぎの行動はNG」という意味を持つ日です。
慌てず急がず、穏やかに過ごすのが吉とされ、「午前中は凶、午後から吉」とされています。
そのため、先負の日に何かを行う場合は午後を選ぶとよいですが、午後でも縁起の良さは小吉程度とされます。
先負は運気が大きく上向く日ではないため、結婚式など縁起を強く意識したいときは、大安や友引を選ぶとよいでしょう。
また、先負には「負」の文字があることから争いや勝負事に不向きな日と考えられ、重要な契約などは避けられる傾向にあります。
読み方は「せんぶ」が一般的ですが、「せんぷ」「せんまけ」「さきまけ」なども存在します。

- 先負は時代の変化で表記・意味が変化した
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六曜が生まれた古代中国において、先負は「小吉」「周吉」と表記され、凶の時間帯がない吉日の扱いでした。
しかし、時代が変わるなかで「先負」という呼び方に変わり、「負」の字面の影響で凶の要素が含まれる現在の解釈となりました。
「午前は凶・午後から吉」で、先勝と逆
先負と似た名前の六曜に先勝(せんしょう)があります。
先勝は「先んずれば勝つ」=「急ぐと良いことがある」という意味の日で、「先んずれば即ち負ける」=「急ぎの行動はNG」である先負と逆の日です。
そのため、先負は「午前中は凶、午後は吉」のと異なり、先勝は「午前中は吉、午後は凶」とされ、吉凶の時間帯が逆になっています。
また、先勝には「勝」の文字があることから、勝負事に向いた日とされます。
ビジネスやスポーツなど、負けられない行事があるときは、先負ではなく先勝を選ぶとよいでしょう。
先負の午前は「12時まで」「14時まで」の二つの解釈がある
先負の“午前”を何時までするかについては、解釈が分かれています。
一般的に、六曜における午前は14時までのため、先負で凶の時間帯とされる午前も14時までと解釈できます。
一方で、先負における午前を正午である12時までとする解釈も広く浸透しており、ネット上には12時を境目とする情報が多いようです。
先負の吉凶の時間帯を厳密に意識したい場合は、14時を境目にすれば間違いないでしょう。
先負にやってもよいこと
入籍
入籍日に人気のある大安や友引に比べて、先負は役所の窓口が比較的空いています。
先負に入籍をする場合は、凶である午前中を避け、午後に提出するとよいでしょう。
また、「負」の字から凶をイメージして先負を避ける人もいるようですので、入籍手続きをゆっくり進めたい方にとって、先負はおすすめの日といえます。
結婚式
先負に結婚式を挙げる場合は、吉の時間帯である午後からがおすすめです。
午後からが吉とされる点を活かして、夕方から始まる披露宴やナイトウェディングを計画するカップルもいます。
また、結婚式に人気の日柄である大安・友引に比べて、先負は式場の空き状況や費用面でのメリットもあります。
結婚式を安く済ませたいときに、先負は選択肢の一つになるでしょう。
縁起を気にする親族がいる方は、先負に結婚式をする意図を事前に説明しておき、納得してもらうと安心です。
引っ越し
先負に引っ越しをする場合は、吉となる午後からのスタートがおすすめです。
引っ越し日の朝には荷造りを済ませておき、午後から搬入を始めるとよいでしょう。
先負は、大安などの吉日に比べると予約も取りやすく費用も安いため、希望日にコストを抑えて引っ越せるメリットもあります。
- 先負の引っ越しは避けるべきと考える人もいる
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先負は「急がずゆっくり過ごすのが良い日」と解釈される日で、引っ越しにおいては以下2パターンの捉え方があります。
- 先負の引っ越しはOK。ただし、当日に慌てないように事前準備をしっかりするべき
- 先負に引っ越しのような慌ただしい用事は避けるべき
とはいえ、六曜の捉え方は人それぞれですので、気にならない場合は先負に引っ越しをしても問題ありません。
納車
先負には「負」の字が含まれるため、契約ごとは避けた方がよいとされる日ですが、納車は契約後の手続きのため問題ないといわれます。
縁起を担ぐのであれば、午前中を避けて午後に納車するのがよいでしょう。
また、ディーラーは納車日の融通がきくケースも多いため、先負の日に納車を合わせる場合に「午後にしたい」という希望も通りやすいはずです。
お参り(お宮参り)
古代中国で生まれた六曜は、神道・仏教と無関係のため、お参り・お宮参りを先負の日に行っても問題ありません。
大安ほどの華やかな印象はないかもしれませんが、先負のお宮参りは比較的混雑を避けやすいメリットも期待できます。
とはいえ、赤ちゃんの初参り行事であるお宮参りに、縁起を担ぎたいという人も少なくないでしょう。
吉凶が気になる場合は、午前中ではなく午後に参拝するのがおすすめです。
葬式・お通夜
先負の日にお葬式・お通夜を行っても問題ありません。
「友を冥土に引き寄せてしまう」として特別に葬式で避けられる友引の日を除き、六曜は仏教と関係がないためです。
先負のどの時間帯でも、お葬式やお通夜は行えるので、深く気にする必要はないでしょう。
先負に避けた方がよいこと
商談・契約・勝負事
先負には「負」の時が含まれることから、勝負に関わる行動や商談、重要な契約などは避けられる傾向にあります。
必ずしも先負の日に大きな失敗が発生するわけではありませんが、縁起を担ぐ人との取引・契約では、大安などの日に変更した方がスムーズに進むケースがあります。
スケジュールの都合上、日取りが先負になる場合は、吉の時間帯である午後を選ぶと気持ち的にも後押しをもらえるでしょう。
宝くじの購入
宝くじの購入は運を強く意識する場です。
先負はその字面から「負け」を連想させるとして、宝くじ購入を避ける人も一定数います。
験担ぎを徹底するならば、大安や一粒万倍日に宝くじを購入するのがベストといえるでしょう。
ただし、六曜はあくまで吉凶の指標ですので、「先負に宝くじを買うと必ず外れる」というわけではありません。
先負以外の六曜は?
大安(たいあん、だいあん)
大安は六曜の中で最も縁起が良いとされる日で、「大いに安し」の意味を持ちます。
結婚式、開店、地鎮祭などのお祝いごとに適しており、人気が高いため、式場や納車の予約は早めの計画が必要です。
友引(ともびき、ゆういん)
友引は「友を引き寄せる」という意味を持ち、結婚式などの慶事には「友を招く」として吉日とされます。
一方で、葬式などの弔事では「友を道連れにする」とのイメージから避けられることが多いです。
先勝(せんしょう、せんかち、さきかち)
先勝は「先んずれば勝つ」の意味で、午前中の行動が吉とされる日です。
急ぎの用事や訴訟に向いているとされ、吉凶の時間帯は先負と対になっています。
赤口(しゃっく、じゃっく、しゃっこう、じゃっこう、せきぐち)
赤口は陰陽道の不吉な日に基づく凶日です。
「赤」の文字が火や血を連想させるため、火や刃物の取り扱いに注意すべき日ともいわれます。
一日を通して縁起が悪い仏滅とは異なり、赤口は昼11~13時のみ吉とされるのが特徴です。
仏滅(ぶつめつ)
仏滅は六曜において最も縁起が悪い日とされ、結婚式などの慶事は避けられる傾向にあります。
「物事が終わる・滅する」の意味から、縁切りや整理整頓といったリセットの機会に適した日という解釈もあり、場合によっては好まれる日です。
まとめ
「急ぎの行動はNG」と解釈される先負は、六曜の中でも落ち着いた過ごし方が求められる日です。
午前中は凶、午後は吉とされており、何か行動を起こす際には午後を選ぶのが基本とされています。
ただし、六曜の吉凶はあくまで目安であり、絶対的なものではありません。
先負の意味を正しく理解し、納得できる日取りの選択ができるようにしましょう。
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