先負とは
先負とは、六曜(ろくよう、りくよう)の一つで、「先んずれば即ち負ける」=「急ぎの行動はNG」という意味を持つ日です。
慌てず急がず、穏やかに過ごすのが吉とされ、「午前中は凶、午後から吉」とされています。
そのため、先負の日に何かを行う場合は午後を選ぶとよいですが、午後でも縁起の良さは小吉程度とされます。
先負は運気が大きく上向く日ではないため、結婚式など縁起を強く意識したいときは、大安や友引を選ぶとよいでしょう。
また、先負には「負」の文字があることから争いや勝負事に不向きな日と考えられ、重要な契約などは避けられる傾向にあります。
読み方は「せんぶ」が一般的ですが、「せんぷ」「せんまけ」「さきまけ」なども存在します。

六曜とは
六曜とは、暦の日を6つに分けて、それぞれの日の吉凶を示した指標です。
古代中国に起源があり、14世紀頃に日本へ伝わってからは、日本の文化や習慣にあわせて順序や意味合いが変化していきました。
現在では「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の順番で、毎日繰り返されています。
なお、一般的に縁起の良い順番とされているのは、「大安」「友引」「先勝」「先負」「赤口」「仏滅」です。
カレンダーで使われている並びとは異なるので注意しましょう。
ちなみに、旧暦の1日に該当する日には、どの六曜が来るかが事前に定められています。
先負は、旧暦3月1日・9月1日に割り当てられていますので、気になる方は旧暦カレンダーをチェックしてみてください。
- 先負は時代の変化で表記・意味が変化した
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六曜が生まれた古代中国において、先負は「小吉」「周吉」と表記され、凶の時間帯がない吉日の扱いでした。
しかし、時代が変わるなかで「先負」という呼び方に変わり、「負」の字面の影響で凶の要素が含まれる現在の解釈となりました。
「午前は凶・午後から吉」で、先勝と逆
先負と似た名前の六曜に先勝(せんしょう)があります。
先勝は「先んずれば勝つ」=「急ぐと良いことがある」という意味の日で、「先んずれば即ち負ける」=「急ぎの行動はNG」である先負と逆の日です。
そのため、先負は「午前中は凶、午後は吉」のと異なり、先勝は「午前中は吉、午後は凶」とされ、吉凶の時間帯が逆になっています。
また、先勝には「勝」の文字があることから、勝負事に向いた日とされます。
ビジネスやスポーツなど、負けられない行事があるときは、先負ではなく先勝を選ぶとよいでしょう。
先負の午前は「12時まで」「14時まで」の二つの解釈がある
先負の“午前”を何時までするかについては、解釈が分かれています。
一般的に、六曜における午前は14時までのため、先負で凶の時間帯とされる午前も14時までと解釈できます。
一方で、先負における午前を正午である12時までとする解釈も広く浸透しており、ネット上には12時を境目とする情報が多いようです。
先負の吉凶の時間帯を厳密に意識したい場合は、14時を境目にすれば間違いないでしょう。
先負にやってもよいこと
入籍
入籍日に人気のある大安や友引に比べて、先負は役所の窓口が比較的空いています。
先負に入籍をする場合は、凶である午前中を避け、午後に提出するとよいでしょう。
また、「負」の字から凶をイメージして先負を避ける人もいるようですので、入籍手続きをゆっくり進めたい方にとって、先負はおすすめの日といえます。
結婚式
先負に結婚式を挙げる場合は、吉の時間帯である午後からがおすすめです。
午後からが吉とされる点を活かして、夕方から始まる披露宴やナイトウェディングを計画するカップルもいます。
また、結婚式に人気の日柄である大安・友引に比べて、先負は式場の空き状況や費用面でのメリットもあります。
結婚式を安く済ませたいときに、先負は選択肢の一つになるでしょう。
縁起を気にする親族がいる方は、先負に結婚式をする意図を事前に説明しておき、納得してもらうと安心です。
引っ越し
先負に引っ越しをする場合は、吉となる午後からのスタートがおすすめです。
引っ越し日の朝には荷造りを済ませておき、午後から搬入を始めるとよいでしょう。
先負は、大安などの吉日に比べると予約も取りやすく費用も安いため、希望日にコストを抑えて引っ越せるメリットもあります。
- 先負の引っ越しは避けるべきと考える人もいる
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先負は「急がずゆっくり過ごすのが良い日」と解釈される日で、引っ越しにおいては以下2パターンの捉え方があります。
- 先負の引っ越しはOK。ただし、当日に慌てないように事前準備をしっかりするべき
- 先負に引っ越しのような慌ただしい用事は避けるべき
とはいえ、六曜の捉え方は人それぞれですので、気にならない場合は先負に引っ越しをしても問題ありません。
納車
先負には「負」の字が含まれるため、契約ごとは避けた方がよいとされる日ですが、納車は契約後の手続きのため問題ないといわれます。
縁起を担ぐのであれば、午前中を避けて午後に納車するのがよいでしょう。
また、ディーラーは納車日の融通がきくケースも多いため、先負の日に納車を合わせる場合に「午後にしたい」という希望も通りやすいはずです。
お参り(お宮参り)
古代中国で生まれた六曜は、神道・仏教と無関係のため、お参り・お宮参りを先負の日に行っても問題ありません。
大安ほどの華やかな印象はないかもしれませんが、先負のお宮参りは比較的混雑を避けやすいメリットも期待できます。
とはいえ、赤ちゃんの初参り行事であるお宮参りに、縁起を担ぎたいという人も少なくないでしょう。
吉凶が気になる場合は、午前中ではなく午後に参拝するのがおすすめです。
葬式・お通夜
先負の日にお葬式・お通夜を行っても問題ありません。
「友を冥土に引き寄せてしまう」として特別に葬式で避けられる友引の日を除き、六曜は仏教と関係がないためです。
先負のどの時間帯でも、お葬式やお通夜は行えるので、深く気にする必要はないでしょう。
先負に避けた方がよいこと
商談・契約・勝負事
先負には「負」の時が含まれることから、勝負に関わる行動や商談、重要な契約などは避けられる傾向にあります。
必ずしも先負の日に大きな失敗が発生するわけではありませんが、縁起を担ぐ人との取引・契約では、大安などの日に変更した方がスムーズに進むケースがあります。
スケジュールの都合上、日取りが先負になる場合は、吉の時間帯である午後を選ぶと気持ち的にも後押しをもらえるでしょう。
宝くじの購入
宝くじの購入は運を強く意識する場です。
先負はその字面から「負け」を連想させるとして、宝くじ購入を避ける人も一定数います。
験担ぎを徹底するならば、大安や一粒万倍日に宝くじを購入するのがベストといえるでしょう。
ただし、六曜はあくまで吉凶の指標ですので、「先負に宝くじを買うと必ず外れる」というわけではありません。
先負以外の六曜は?
大安(たいあん、だいあん)
大安は六曜の中で最も吉とされ、冠婚葬祭を問わず何をしても良いといわれる日です。
結婚式や引っ越し、開店・開業などさまざまな日取りで人気があり、縁起を担ぎたいときには大安を選んでおけば間違いありません。
友引のように凶の時間帯もないため、一日を通して縁起が良い日とされます。
注意点として、大安はその人気の高さゆえに式場や会食会などの予約が取りにくく、コストも高くなる傾向にあります。
日程を決める際は、縁起と現実的な事情のバランスを見て判断するとよいでしょう。
- 六曜の法則として、旧暦の5月1日・11月1日は、必ず大安になります。
友引(ともびき、ゆういん)
友引は、六曜において大安の次に縁起がよい日とされています。
「友を引き寄せる」という意味を持ち、結婚式などのお祝い事でとくに人気のある日柄です。
その一方で、「道連れにする」という解釈から友引の葬儀や火葬は避けられるケースが多く、友引に休業する葬儀場・火葬場も珍しくありません。
ただし、通夜・法事は友引に行っても問題ないとされています。
通夜・法事は故人との思い出に浸る場であり、「道連れにする」の考えに該当しないためです。
また、友引は時間帯で吉凶が変化する特徴があり、午前中と夕方は吉、昼11~13時は凶となります。
- 六曜の法則として、旧暦の2月1日・8月1日は、必ず友引になります。
先勝(せんしょう、せんかち、さきかち)
「先んずれば勝つ」という意味を持つ先勝は、何事も早めに済ませるのが良いとされる日です。
急ぎの用事や訴訟を行うのに最適な日と捉えられているため、これらの予定で縁起を担ぎたいときは先勝を選ぶとよいでしょう。
また、「勝」の文字が含まれる先勝は、ビジネスやスポーツ、宝くじの購入といった勝負事にもおすすめの日取りです。
縁起の良さとしては、大安・友引に次いで三番目に良い日と考えられているので、入籍・結婚式といったお祝い事にも向いています。
注意点として、先勝は午前中(14時まで)が吉とされ、午後(14~18時)は運気が下がります。
大切な行事・イベントは、はなるべく午前中に行うとよいでしょう。
- 六曜の法則として、旧暦の1月1日・7月1日は、必ず先勝になります。
赤口(しゃっこう、しゃっく、じゃっく、じゃっこう、せきぐち)
赤口は、仏滅の次に縁起が悪い日といわれ、とくに入籍・結婚式などの慶事は大凶とされています。
また、「赤」の文字が火・血をイメージさせるため、火の元や刃物の取り扱いにも注意が必要な日と考えられています。
火事を連想させる引っ越し・赤字を連想させる開店・開業なども、赤口では不向きとされるため、日取りを意識するのがおすすめです。
時間帯によって運勢が変化する赤口は、午の刻(午前11時~午後1時)のみ吉、それ以外の時間帯は凶とされるのが特徴です。
赤口にどうしても外せない用事があるときは、お昼に済ませるとよいでしょう。
- 六曜の法則として、旧暦の6月1日・12月1日は、必ず赤口になります。
仏滅(ぶつめつ)
仏滅は六曜の中で最も不吉とされる日で、「物事が終わる・滅する」という意味があります。
結婚式や入籍などお祝い事では敬遠されますが、料金が安くなる会場もあるため、あえて仏滅を選ぶカップルも少なくありません。
一方で、「物事が終わり、新しいスタートを切るのに最適」という解釈もあるので、縁切りや整理整頓、仏事におすすめの日ともされています。
また、宝くじファンの間では高額当選が期待できる「運を先取りする日(大安イブ)」としても知られており、実際に当選した人も存在します。
仏滅は「縁起が悪い日」という一方向な解釈が当てはまらない日といえるでしょう。
- 六曜の法則として、旧暦の4月1日・10月1日は、必ず仏滅になります。
まとめ
「急ぎの行動はNG」と解釈される先負は、六曜の中でも落ち着いた過ごし方が求められる日です。
午前中は凶、午後は吉とされており、何か行動を起こす際には午後を選ぶのが基本とされています。
ただし、六曜の吉凶はあくまで目安であり、絶対的なものではありません。
先負の意味を正しく理解し、納得できる日取りの選択ができるようにしましょう。
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