先勝とは
先勝とは、六曜(ろくよう、りくよう)における吉日で、「先手必勝」「先んずれば勝つ」といった意味を持つ日です。
六曜の中で「大安」「友引」に続いて3番目に縁起が良い日で、「急ぐと良いことがある」とされます。
そのため、早い時間帯である午前中(14時まで)は吉、午後(14~18時)が凶といわれ、引っ越しや契約などの大切な用事は午前中に済ませるのがよいとされます。
また、午前中は新しいことを始めるタイミングとしても最適ですので、「朝から行動を起こすのが吉」とされる先勝は、新たなスタートを切る日としても人気があります。
読み方には「せんしょう」「せんかち」「さきかち」などがあり、どの読みでも問題ありません。
- 六曜において午前中とされるのは14時まで
六曜とは
六曜とは、暦の日を6つに分けて、それぞれの日の吉凶を示した指標です。
起源は古代中国にあり、日本には14世紀頃に伝わったとされています。
その後、日本の文化や習慣にあわせて順序や意味合いが変化し、現在では「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の順に、日ごとに繰り返されています。
なお、一般的に縁起の良い順番とされているのは、「大安」「友引」「先勝」「先負」「赤口」「仏滅」です。
カレンダーで使われている並びとは異なるので注意しましょう。
ちなみに、旧暦の1日に該当する日には、どの六曜が来るかが事前に定められています。
先勝は、旧暦1月1日・7月1日に割り当てられていますので、気になる方は旧暦カレンダーをチェックしてみてください。

14~18時は凶のため、控えめに過ごすのがおすすめ
先勝は午前中が吉とされる一方、14時以降から夕方18時にかけては凶とされる日です。
過剰に気にする必要はありませんが、縁起を担ぎたい場合は、午後に大きな変化が起こるようなことは避けるとよいでしょう。
具体的には、午後は家でゆっくりする・長い付き合いの友人と会う、などがおすすめです。
先勝にやってもよいこと
入籍
大安・友引に次いで3番目に縁起が良い日とされる先勝は、入籍といったお祝い事に最適な日です。
午後は凶の時間帯ですので、夫婦としてのスタートを気持ちよく迎えたい方は、午前中に婚姻届を提出するとよいでしょう。
結婚式
入籍と同じく、先勝は結婚式にも適した日とされます。
人気の高い大安や友引に比べると、比較的予約が取りやすいため、人気の結婚式場も狙えるかもしれません。
ちなみに、先勝は時間帯によって吉凶が変わりますが、午前中に式をスタートすれば結婚式が午後にまたいでも問題ないとされます。
先勝の日に結婚式の招待状を投函する場合も、午前中を選べばより縁起を担げるでしょう。
引っ越し
吉日である先勝の日は、新生活のスタートとなる引っ越しの日取りにも好まれる日です。
縁起の良い日ではありますが、午後からは凶になるため、作業は午前中に終わらせるとよいでしょう。
そのため、作業がスムーズに完了できるよう、引っ越し業者との相談・スケジュール調整などは早めに進めておくと安心です。
納車
交通安全を祈願し、車やバイクの納車を先勝の日に合わせる人も少なくありません。
納車日は購入者が選べるケースも多いため、凶である午後の時間帯は避けるとより安心できるでしょう。
午前中は吉の時間帯であるうえ、外が明るいため新車の色味やキズの確認もしやすいという実用的なメリットもあります。
商談・契約・勝負事
先勝には「勝」の文字があるため、ビジネスやスポーツなどの勝負事にもおすすめの日とされます。
吉とされる午前中にプレゼンや商談を行えば、精神的にも前向きになりやすく、よい結果を得られやすいでしょう。
なお、商談や契約ごとの日取りは相手の都合にも配慮が必要ですので、縁起だけにこだわらず、総合的に判断するのがおすすめです。
また、プロポーズや宝くじの購入も勝負事のひとつですので、先勝の日に実行する場合は14時までに済ませれば縁起を担げます。
葬式
先勝などの六曜は仏教と無関係のため、先勝の日にお葬式を行っても問題はありません。
どの時間帯でもお葬式は行えるので、特に気にする必要はないでしょう。
先勝のお通夜は避けた方がよい考えもある
先勝の日の葬式は問題ないとされますが、一方でお通夜は避けられる傾向にあります。
これは、先勝の日にお通夜を行うと、翌日が友引に当たり、告別式がその日に重なってしまうためです。
一般的に、友引の日に葬儀を行うのは「友人を冥土に連れていく」という解釈から縁起が悪いとされ、友引に休業する葬儀場・火葬場も少なくありません。
とはいえ、六曜と仏教には本来関連がないため、先勝にお通夜を行っても問題はありません。
六曜に対する考え方は人によって異なるため、関係者全員が納得できるよう親族間で認識を合わせておくと安心です。
先勝以外の六曜は?
大安(たいあん、だいあん)
大安は「大いに安し」という意味を持ち、六曜の中で最も縁起が良いとされる日です。
結婚式や引っ越し、納車などあらゆる物事で吉とされるうえ、友引のように凶の時間帯もありません。
一日を通して吉ですので、日取りに迷った場合は大安を選んでおくと安心です。
また、大安は財布を新調する日としてもおすすめです。
新しい財布を購入・使い始める予定がある方は、大安の日程を意識するとよいでしょう。
- 六曜の法則として、旧暦の5月1日・11月1日は、必ず大安になります。
友引(ともびき、ゆういん)
友引は「友を引き寄せる」という意味を持つため、結婚式などの慶事には吉・葬式などの弔事には凶とされる日です。
とくに葬式の場合は「友を道連れにする」というイメージから避けられる傾向にあり、友引に休業する葬儀場・火葬場も少なくありません。
その一方で、お祝い事においては、友引は大安に次いで人気があります。
なお、友引は時間帯によって吉凶が変わる日です。
午前中と夕方は吉、お昼(11~13時)は凶となるため、結婚式といったお祝い事は正午を避けて行われる場合があります。
- 六曜の法則として、旧暦の2月1日・8月1日は、必ず友引になります。
先負(せんぶ、せんぷ、せんまけ、さきまけ)
先負は、「早いほど吉」とされる先勝とは逆で、急ぎの行動や争いごとを避けるべき日とされます。
先負に用事を済ませるときは、凶である午前中は控えめに過ごし、午後に行動すると運気を味方につけやすいでしょう。
ただし、先負の午後はあくまで小吉レベルですので、特に縁起を担ぎたい場合は他の日程を選んだ方が無難です。
また、先負には「負」という漢字が使われているため、訴訟や契約といった勝負事では良い結果が得にくいともいわれます。
- 六曜の法則として、旧暦の3月1日・9月1日は、必ず先負になります。
赤口(しゃっこう、しゃっく、じゃっく、じゃっこう、せきぐち)
赤口は、陰陽道の不吉な日「赤舌日(しゃくぜつにち)」と「赤口日(しやくこうにち・しゃっこうにち)」に基づく凶日です。
お昼(11~13時)のみ吉になるため、どうしても用事を済ませたい場合はこの時間帯がおすすめです。
また、「赤」の文字は火や血を連想させるため、火の元や刃物の取り扱いに注意すべき日といわれます。
その他、怪我を連想させるお見舞い、火事を連想させる引っ越しなども、赤口においては不向きとされるため、日取りには注意しましょう。
赤口は仏滅の次に縁起が悪い日といわれますが、火や血のイメージから、赤口の方が凶日であるという考え方もあります。
- 六曜の法則として、旧暦の6月1日・12月1日は、必ず赤口になります。
仏滅(ぶつめつ)
仏滅は六曜の中で最も縁起が悪いとされる日で、大安とは対照的な日として広く知られています。
何事においても凶であるとされる日のため、入籍・結婚式や引っ越し、開業などの祝い事からは敬遠されがちです。
一方で、「物事が終わる・滅する」という意味合いから、縁切りや整理整頓など新しいスタートを切る日として好まれるケースもあります。
また、仏滅は大安の前日に巡ってくることから、宝くじファンの間では高額当選が期待できる「運を先取りする日(大安イブ)」としても知られています。
なお、仏滅の名称は、時代によって「空亡」「虚亡」「物滅」「仏滅」と変化していますが、あくまで当て字のため仏教とは全く関係がありません。
- 六曜の法則として、旧暦の4月1日・10月1日は、必ず仏滅になります。
まとめ
先勝は、「先んずれば勝つ」という言葉に象徴されるように、スピーディーな行動が吉とされる日です。
六曜の中でも縁起の良い部類に入り、特に午前中は新しいことを始めるのにふさわしいタイミングといえます。
入籍や結婚式、引っ越し、納車、商談など、人生の節目となる行事を計画する際には、先勝の日の午前中を意識してみると良いでしょう。
古くから伝わる暦の知恵を取り入れることで、気持ちの切り替えや前向きなスタートにつながるかもしれません。
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