赤口は「大安」や「仏滅」といった六曜のひとつ
赤口という言葉を目にしたことはあっても、その意味や由来を詳しく知っている人は少ないかもしれません。
赤口を理解するにはまず、六曜全体の成り立ちやそれぞれの意味を把握することが大切です。
六曜(ろくよう、りくよう)とは、古代中国の占いの概念が14世紀頃に日本に伝わったもので、赤口も含めて下記の6種類があります。
- 大安(たいあん、だいあん)
- 友引(ともびき、ゆういん)
- 先勝(せんしょう、せんかち、さきかち)
- 先負(せんぶ、せんぷ、せんまけ、さきまけ)
- 赤口(しゃっこう、しゃっく、じゃっく、じゃっこう、せきぐち)
- 仏滅(ぶつめつ)
六曜の中には一日中が吉とされるものや、午前中だけが吉とされるものなど、時間帯によって吉凶が分かれるタイプもあるのが特徴です。
六曜を記載するカレンダーもあり、現在では冠婚葬祭などの日取りの目安に使われています。

赤口とは
赤口とは、六曜の中でも凶日とされ、仏滅の次に縁起が悪いといわれています。
時間帯によって吉凶が変わるのが特徴で、午(うま)の刻(昼11~13時)のみが吉で、それ以外の時間帯は凶とされています。
読み方は「しゃっこう」や「しゃっく」、「じゃっく」「じゃっこう」「せきぐち」などがあり、どれが正解というものはありません。
赤口の由来は、陰陽道の「赤舌神」「赤口神」という神がそれぞれ司る「赤舌日(しゃくぜつにち)」と「赤口日(しやくこうにち・しゃっこうにち)」にあるといわれます。
どちらの日も、神の配下の鬼が人々に害を与えるため、訴訟や契約は避けるべきとされていました。
また、 赤口は「赤」の文字から火・血を連想するため、火の元や刃物の取り扱いに注意すべき日ともいわれます。
六曜とは
六曜とは、暦の日を6つに分けて、それぞれの日の吉凶を示した指標です。
起源は古代中国にあり、日本には14世紀頃に伝わったとされています。
その後、日本の文化や習慣にあわせて順序や意味合いが変化し、現在では「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の順に、日ごとに繰り返されています。
なお、一般的に縁起の良い順番とされているのは、「大安」「友引」「先勝」「先負」「赤口」「仏滅」です。
カレンダーで使われている並びとは異なるので注意しましょう。
ちなみに、旧暦の1日に該当する日には、どの六曜が来るかが事前に定められています。
赤口は、旧暦6月1日・12月1日に割り当てられていますので、気になる方は旧暦カレンダーをチェックしてみてください。
「赤口」と「仏滅」はどっちが悪い?
赤口と仏滅は、どちらも縁起が悪い日として広く知られていますが、どちらが悪いと捉えるかは人それぞれです。
一般的には仏滅が六曜において最も縁起が悪い日といわれるものの、赤口は血や火を連想させるために仏滅以上の凶日と捉える人もいます。
また、「物事が終わる日」である仏滅と比べて、「すべてが消滅する日」とされる赤口は仏滅以上の大凶日ともいわれています。
結論として、日柄をどこまで重要視するかには個人差があります。
赤口と仏滅それぞれの意味合いや、周囲の考え方によっても解釈が異なる点を押さえておくとよいでしょう。
赤口に行ってもよいこと
葬式・お通夜・法事
赤口は結婚式などの慶事において大凶日とされますが、お葬式やお通夜といった弔事には問題ありません。
ただし、地域による習慣や家族の考え方が異なる場合もあるため、トラブル防止のため親族や斎場・葬儀場に事前に確認しておくと安心です。
お宮参り・七五三
六曜と神道・仏教などの宗教には関連がないため、赤口にお宮参りや七五三を行うのは問題ありません。
とはいえ、子供の成長を祈る行事を、凶日とされる赤口にすることに抵抗を感じる人もいます。
日程の都合もありますので、お宮参り・七五三の日取りは、家族・親族が納得できるよう総合的に判断するのがよいでしょう。
赤口に避けた方がよいこと
入籍・結婚式
赤口は、入籍や結婚式などのお祝い事では大凶とされるため、避けられる傾向にあります。
また、赤口は火の元や刃物の取り扱いに注意が必要とされるため、結婚式のキャンドルサービスやケーキカットには不向きという考え方もあります。
「人生の大切なイベントを安心して迎えたい」とお考えの方は、日取りを大安や友引にしておくのがよいでしょう。
一方で、結婚式場によっては割引も実施されており、料金面や日程のメリットからあえて赤口を選ぶカップルもいます。
両親や親戚が六曜を重視する場合、大安などに日を改めるよう勧められるケースもありますので、全員が納得できるよう事前に話し合っておくのが大切です。
お見舞い
赤口が表す火や血のイメージが病気・怪我を連想させるため、赤口のお見舞いは避けた方が無難です。
とくに相手が縁起を気にする場合、赤口のお見舞いは精神的な負担をかける可能性があります。
緊急性の高い状況を除き、お見舞いではできるだけ赤口以外の日を選ぶとよいでしょう。
引っ越し
「赤」の文字が火をイメージさせるため、赤口は引っ越しには不向きな日とされます。
縁起を気にする場合は、吉日とされる大安や友引などの他の日程に変更しておくと、気持ちよく新生活をスタートできます。
どうしても引っ越し日が赤口の日に重なるときは、大安や友引に事前に一部の荷物を持ち込むとよいでしょう。
これにより、赤口に引っ越し業者が荷物を運び込んでも、縁起の良い日に引っ越ししたとみなされます。
開店・開業
凶日とされる赤口は、事業のスタートを象徴する開店や開業において、仏滅に次いで避けた方がよいとみなされる日です。
とくに赤口は「赤」の文字から火を連想させるため、特に飲食店など火を扱う業種では敬遠される傾向にあります。
加えて「赤字」のイメージもあることから、とりわけ開店・開業では好まれないお日柄といえます。
一方で、競合店との兼ね合いや広告効果のタイミングなど、ビジネス的に赤口の日が最適な場合もあります。
縁起よりも現実的なメリットを優先する考え方もあるため、しっかりと計画を立て、総合的に判断しましょう。
納車
赤口は血や事故を連想させるため、納車日としては避けられる傾向にあります。
とはいえ、あくまで縁起の問題ですので、あまり気にしないという方は赤口に納車をしても問題ありません。
「赤口の日しか都合がつかないけど、縁起が気になる」という場合は、吉とされる昼11~13時に納車するとよいでしょう。
ディーラー側も引き渡しを安心して済ませたいと考えるため、赤口に重なる場合は日程調整の相談に応じてくれるケースもあります。
商談・契約・勝負事
大切な商談や契約事、試験や試合など「勝負」を含むイベントでは縁起が意識されやすいため、凶日である赤口は敬遠されがちです。
「赤口=凶日」のイメージが心理的にマイナスになる場合もあるため、特にトラブル回避や結果を重視する場面では、大安などの吉日を選ぶ人が多いようです。
また、赤口の由来になった陰陽道の赤舌日・赤口日は、どちらも訴訟や契約には不向きな日とされています。
スケジュールの調整が可能であれば、商談・契約・勝負事はできるだけ大安を選んでおくと安心です。
赤口以外の六曜は?
大安(たいあん、だいあん)
大安は六曜の中で最も吉とされ、冠婚葬祭を問わず何をしても良いといわれる日です。
結婚式や引っ越し、開店・開業などさまざまな日取りで人気があり、縁起を担ぎたいときには大安を選んでおけば間違いありません。
友引のように凶の時間帯もないため、一日を通して縁起が良い日とされます。
注意点として、大安はその人気の高さゆえに式場や会食会などの予約が取りにくく、コストも高くなる傾向にあります。
日程を決める際は、縁起と現実的な事情のバランスを見て判断するとよいでしょう。
- 六曜の法則として、旧暦の5月1日・11月1日は、必ず大安になります。
友引(ともびき、ゆういん)
友引は、六曜において大安の次に縁起がよい日とされています。
「友を引き寄せる」という意味を持ち、結婚式などのお祝い事でとくに人気のある日柄です。
その一方で、「道連れにする」という解釈から友引の葬儀や火葬は避けられるケースが多く、友引に休業する葬儀場・火葬場も珍しくありません。
ただし、通夜・法事は友引に行っても問題ないとされています。
通夜・法事は故人との思い出に浸る場であり、「道連れにする」の考えに該当しないためです。
また、友引は時間帯で吉凶が変化する特徴があり、午前中と夕方は吉、昼11~13時は凶となります。
- 六曜の法則として、旧暦の2月1日・8月1日は、必ず友引になります。
先勝(せんしょう、せんかち、さきかち)
「先んずれば勝つ」という意味を持つ先勝は、何事も早めに済ませるのが良いとされる日です。
急ぎの用事や訴訟を行うのに最適な日と捉えられているため、これらの予定で縁起を担ぎたいときは先勝を選ぶとよいでしょう。
また、「勝」の文字が含まれる先勝は、ビジネスやスポーツ、宝くじの購入といった勝負事にもおすすめの日取りです。
縁起の良さとしては、大安・友引に次いで三番目に良い日と考えられているので、入籍・結婚式といったお祝い事にも向いています。
注意点として、先勝は午前中(14時まで)が吉とされ、午後(14~18時)は運気が下がります。
大切な行事・イベントは、はなるべく午前中に行うとよいでしょう。
- 六曜の法則として、旧暦の1月1日・7月1日は、必ず先勝になります。
先負(せんぶ、せんぷ、せんまけ、さきまけ)
先負は「先んずれば負ける」の意味を持つ日で、午前中は控えめに過ごし、午後から行動すると良いとされます。
「先んずれば勝つ」とされる先勝と正反対の日柄ですので、急ぎの行動や争いごとは避けると安心です。
また、先負は「負」の文字のイメージから、訴訟や契約、ビジネス・スポーツなどの勝負事には不向きともいわれます。
とくに縁起を担ぐ人との取引・契約では、大安などの日程に変更した方が話し合いが有利に進むケースもあるでしょう。
ちなみに、先負の午後はあくまで小吉レベルで、大きく運気が上がるわけではありません。
結婚式など、縁起を強く意識したい場面では、先負よりも大安・友引を選ぶのがおすすめです。
- 六曜の法則として、旧暦の3月1日・9月1日は、必ず先負になります。
仏滅(ぶつめつ)
仏滅は六曜の中で最も不吉とされる日で、「物事が終わる・滅する」という意味があります。
結婚式や入籍などお祝い事では敬遠されますが、料金が安くなる会場もあるため、あえて仏滅を選ぶカップルも少なくありません。
一方で、「物事が終わり、新しいスタートを切るのに最適」という解釈もあるので、縁切りや整理整頓、仏事におすすめの日ともされています。
また、宝くじファンの間では高額当選が期待できる「運を先取りする日(大安イブ)」としても知られており、実際に当選した人も存在します。
仏滅は「縁起が悪い日」という一方向な解釈が当てはまらない日といえるでしょう。
- 六曜の法則として、旧暦の4月1日・10月1日は、必ず仏滅になります。
まとめ
赤口は六曜の中でも凶日とされ、特に火や血に関わる意味合いから敬遠されがちです。
しかし、正午の時間帯は吉とされるなど、一日を通してすべてが悪いわけではありません。
現代では結婚式や引っ越しだけでなく、ビジネスの場でも六曜を意識するケースがあり、取引先や顧客への配慮として利用されています。
六曜に対する考え方は人によって異なるため、縁起と現実的な事情のバランスを見て判断するとよいでしょう。
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